こんにちは。Nagiです。
「台湾、地球上もっとも危険な場所」
そう書いたのは、世界有名な経済誌“エコノミスト”でした(2021年5月期)。

台湾に家族がいる台湾人として、台湾が戦争に巻き込まれることを考えたくないですが、
「近い将来に戦争するかも」と最近心配しています。

「台湾と中国はどういう関係?」
「何で対立するのか?」
「戦争しなかった?今まで平和の理由は?」
「何で2027年が危ない?」
台湾と中国の関係について、もっと深く知りたい!あなたのために、
今回はウラ博士※が登場します!

ニーハオ。
台湾で(昔)有名なウラ博士です。
※ビデオテープ時代に台湾でおなじみの知育系アニメ「十万個のなぜ?(十萬個為什麼)」のMCです。
・どろぬま恋愛の関係と対立の理由
・過去3大戦役を見て、今が平和の理由を知る
・2027年ごろが危ない理由
台湾と中国の関係
台湾と中国の関係は泥沼恋愛と実に似ています。
「台湾が別れたいけど言えない、なぜなら、中国が暴力をふるうから」

2021年中国と台湾の一番偉い人の発言※をまとめると、
※2021年07月01日習近平国家主席の発言;2021年01月01日蔡英文総統の発言
中国:「別れることを考えるな、仲直りしよう」
台湾:「私は簡単に別れを口に出さないよ。だからお互いを尊重しながら解決しよう」
対立の理由

恋愛で例えたら、いつに恋に落ちて、いつから関係が悪くなったのか?

結論からいうと、1945年に恋に落ちて、1949年から別居状態だよ。
1945年に第二次世界大戦が終わり、台湾は日本から中国※に渡されました。
※ 中華民国。共産党の中華人民共和国ではない。
しかし、わずか4年後、内戦で国民党が共産党に負けました。
国民党が大量の黄金(ゴールド)と資源を持って、台湾に逃げました。

それから、大陸の中国と台湾とずっと対立の状態です。
昔の台湾は確かにけんか腰でしたが、最近は「別れよう」モードになってきています。

別居してから今までずっと平和だったのか?

全然平和ではなかったよ。ガチンコの喧嘩は何回もしたよ。
過去の3大戦役(離島)
最近は平和に見えますが、実は過去台湾と中国の間に大きな戦役3回もありました。

いずれも離島の戦役で、台湾本島までとどかなかったです。
- 中国の海軍も空軍も弱かった
- アメリカが中国より圧倒的に強くて、台湾を支持した
古寧頭戦役
1949年に古寧頭戦役(別名:金門戦役)がおきました。
国民党が共産党に負けて、台湾本島に撤退したすぐ後に、共産党が離島の金門を攻撃しました。

金門は台湾本島から180km※も離れる離島です。
※ 東京中心から長野松本までの距離
一方、共産党の厦門から金門まで、6kmしかありません。(車なら10分程度)

天気が良ければ、金門から厦門の建物が見えるほど近いです。

「これは楽勝だろう」とだれも思いますが、
当時共産党の海軍が弱かったです※。
※ 古寧頭戦役の約半年前に、共産党が海軍を成立した(1949年4月)
共産党軍が漁船で金門に上陸できても、支援が間に合わなかったから、台湾に負けました。

これをどろぬま恋愛で例えたら?

男が夜逃げした彼女と会うために、川の中で必死に泳いで、ようやく片手を陸地に触った瞬間に、手が踏まれた。

九三砲戦
金門戦役が終わった4年間に、大きな戦争がありませんでした。

理由は以下の2点です。
- 1950年に朝鮮戦争が起きて、中国が朝鮮の方に軍を分けた。
- アメリカが中立な立場から、台湾を守る側に片寄った(共産党と対抗する)。
しかし、朝鮮戦争が終わったすぐに、中国が台湾を狙い始めました。
そして1954年に、九三砲戦(第一次台湾海峡危機)が起きました。
「海軍が弱いからまずは砲撃だ」と中国が考えました。

金門にとにかく砲撃して、半日で6,000発の砲弾を撃ったと言われます。

これはさすがに恋愛で例えられないでしょう?

男が愛を伝えるために、6000発のロケット花火を打ち上げた。


お疲れさまでした
しかし、当時に台湾の後ろにアメリカが立っていました。
物資の支援を受けたりして、何とか※金門を守りました。
※ アメリカが核兵器を使うことを恐れて、ソ連が中国を止めた説もある
今回の危機で、アメリカが台湾と「米華相互防衛条約」を締結しました。
八二三砲戦
戦闘規模が一番大きいのが八二三砲戦(別名:金門砲戦)でした。
- 1958年に中東の政治が不安定で、アメリカが出兵した。中国にとって「隙あり!」
- 「米華相互防衛条約」は離島まで適用するのか不明でした。
1958年8月23日に、中国が2時間以内に4万発以上の砲弾を金門に撃ち込みました。

規模感がわからないから、花火と比べます。
東京湾大花火祭は例年、1時間20分で1万2千発の花火を打ち上げます。
金門砲戦の砲撃の密度は東京湾大花火祭りの2倍以上です!

また、中国が44日間に金門諸島※に47万発以上の砲弾を撃ち込みました。
平均小中学校のプール1個の面積で1発があたります。
※ 金門諸島の面積約150㎢。東京都23区の約4分の1。

すさまじい数でした。
当時アメリカが台湾に直接に武器を提供したり、中国を脅したりして、いろんな手を使いました。
アメリカがいなければ、今日の金門は中国のものでしょう。

撃ち込まれた砲弾は包丁としてリサイクルされた。
今は金門の名物【砲弾包丁】となっているよ~



2027年が危ない理由
- 中国軍「建軍百年」の年
- 中国共産党「全国代表大会」の年
中国軍「建軍百年」
中国軍(中国人民解放軍)は1927年に創設されました。
2027年がちょうど100年目です。
100年の節目の為に、中国が「建軍百年の奮闘目標」を発表しました(2020年10月)。

しかし、具体的な内容が公開されていないです。
それが怖いです。
2021年9月現在、「中國 軍機 侵入」で検索したら、中国はほぼ月1のペースで、台湾の領空に侵入することが分かります。

中国の3隻目の新型空母の改造も着実に進んでいます。
最近ネットで中国人がよくいう「武統台灣」(武力で台湾を統一する)を聞いたら、6年後の2027年が心配になります。
中国共産党「全国代表大会」
2027年が危険なもう一つの理由は、5年に1回の全国代表大会です。
そこで中国の最高指導者が選ばれます。
今の最高指導者の習近平は2012年に選ばれて、2021年現在は2期目です。

2022年にも全国代表大会がありますが、たぶん習近平が3期目をやり続けます。
そして2027年の大会の時に、最高指導者の習近平が74歳になります。

①本人が権力を手放さなければ、4期目をやらせたくない人が出てくるでしょう。
②本人が退任の意思があっても、派閥による後継者の争いがあるでしょう。
いずれにしても、2027年は政治的に不安定な年です。

その時に、海軍も空軍も強くて、アメリカを怖がらない中国軍が完成すれば、どうなるでしょう。

自分の強さをアピールして、人々の支持を得る※ために、台湾を攻撃すると主張する権力者が出てこないことを祈ります。
※ 中国の大半の人にとって、「武統台灣」 は非常にうける言葉です
戦争のシナリオ
「権力者は自分の利益のために、国家の利益を犠牲する」
という事例が120年前の中国にありました。

1900年、西太后が自分の権力と命を守るために、義和団という叛乱団体を支持しました。
勝てない覚悟で列強各国に宣戦して、国家間の戦争になりました。
もちろん中国がボロ負けて、賠償金1.8兆円※も要求されました。
※ 4億5千万両白銀を現代の銀の単価で換算。インフレ不計上。

しかし、西太后の目的は達成しました。
自分の権力と命は守れました。

2027年に以下の条件がそろった場合、74歳の習近平が本当に戦争を考えないでしょうか?
- 少子高齢化で中国の経済が悪くなり、格差で不満がたまり、国民の怒りの出口がない
- アメリカが台湾に武器を売るニュースが中国でバズる
- 「台湾に攻撃できないチキンのリーダーは要らない」と習近平の政敵がウラで世論をあおいで、圧力をかける
- 中国の軍事力が十分に高くなって、アメリカがもう怖くない。(アジアで)

あとがき
日本にすんでいるので、危機感はありますが、強くはありません。
いま中国が台湾のことで頭いっぱいですが、もし台湾をとったら、次はどこを狙うでしょう?

元米海軍大将が書いた米中戦争の小説「2034」の日本語版は今年10月に発売されます。
小説の中で、台湾は占領されたようです。
そのあと中国が何をするのか?日本の状況はどうなるのか?気になります。

それでは、ザイジェン!
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